日野市立日野第五小学校四年生
 「見ないで歩いて感じてみよう」他

 日野市社会福祉協議会からご依頼いただき、日野市立日野第五小学校4年生、二クラスに2時間授業をしてきました。
当日の様子を写真と音声でお届けします。

 今回、社会福祉協議会を通じて5名のボランティアさんが来てくださいました。
さらに、四年生の保護者の方も来ていただいて授業スタートとなりました。

体育館に集まってきた子供たちとまずはあいさつ。
「授業スタート」
みんな元気よく礼儀正しい子が多いなぁという印象でした。

さて、授業スタート。
マイクを持ち話す様子。それを聞く子供たちの後ろ姿。
まずは私の自己紹介。
どこに住んでいて、普段どんなことをしているかというのを対話形式で話しました。

「自己紹介の様子」

私のことを知ってもらったところで、日本にいる視覚障碍者の数をクイズ形式で出題しました。
少しは興味を持ってもらえるかなと思い「分かる人~」と聞くと、みんな思い思いの答えを伝えてくれました。
視覚障害と言っても「全盲」「弱視」があるということをそれぞれ説明しました。

続いて質問コーナー。
具体的な私の生活を自己紹介で話した後は、子供たちからの質問を受けました。
「こんなこと聞いちゃだめかな?失礼かな、なんて思わずになんでも疑問に思ったことを聞いてね」
と言うと、手を上げてくれました。

いくつかご紹介します。
「目が見えないとどうやって買い物するんですか?」
という質問。
「目が見えないとどうやって買い物すると思う?」
と聞くと
「店員さんに手伝ってもらう!」
「でも、目が見えないと店員さんがどこにいるか分からないよ」
という会話が広がる広がる。
ある程度みんなから答えが出た時点で、私が普段どうやって買い物しているのかをお話ししました。
地元の子なら知ってそうなスーパーの名前を上げ、サービスカウンターまで行って店員さんに一緒に行ってもらうようお願いすることを伝えました。
みんな知ってるお店だからか、すっと買い物している様子が伝わったようです。

面白いなと思ったのはこんな質問です。
「お父さんもお母さんも目が見えないんだったら、どうやって子供に勉強教えてるんですか?」
というもの。
娘はまだ4歳で、勉強はやっていないけど、今は一緒に字を憶えていること。
お父さんは13歳まで目が見えていたから、字が書けること。
でも、子供が書いた字は読んであげられないから、ボランティアの人に手伝ってもらって、字を憶えていることを説明しました。
「質問コーナー(一部)」
今回もiPhoneの実演をしたところで、質問コーナーは終了となりました。

その後は、今回の依頼をいただき考えたオリジナルワークショップ「見ないで歩いて感じてみよう」へと移りました。
これはちょっと変わったアイマスク体験です。
まず、私が普段どうやって歩いているかを説明しました。
目の代りに、音・匂い・足元の感覚を使っていることを話しました。
たとえば、匂いでどんなお店が分かるか、など具体的に話をしました。
そして、みんなにも今からそれを体験してもらうことを説明しました。
終わってから感想を聞くから、どんな音がした、匂いを感じたなど考えておいてもらいたいことを伝えました。

「ワークショップ説明の一部」

当たり前に目が見えている人がアイマスクをして歩けば「怖い」と思うのは当然です。
でも、そこから一歩踏み込んで「見る」いがいの感覚を使って何を感じることが出来るか、というワークショップを考えました。
※ワークショップの狙いや、実施に至った経緯については当日の私のブログをご覧ください。

実際白杖の使い方やアイマスクの使い方を説明している間も、しっかり聞いてくれていました。
さぁ、二つのクラスに別れてワークショップスタートです。
当初の予定では、私も子供たちに付く予定でしたが、待っているクラスの方で質問があるということで、ワークショップはお手伝いいただいた方々にお願いすることにしました。

さっきよりももっと近距離で子供たちと話すことが出来ました。
ここでもさまざまな質問を受けました。
「目が見えないとどうやって家の鍵を開けるのですか?」
という質問に実際私の家の鍵を出して説明しました。
触って鍵の向きが分かることを話すと
「そっか、触れば分かるよね!」という答え。
他にも
「失礼ですが、いつから目が見えないのですか?」
という質問。
みんなの生まれたときの体重を答えてもらい、私は未熟児で生まれつき見えないことを説明しました。

そして、ちょっと意表を突かれた質問にはこんなものがありました。
「目が見えなくて、やれないこともいっぱいあって、大変だと思います。楽しいことはなんですか?」
というもの。
こういう質問は予想していなかったので、考えながらこんな風に答えました。
「家で家族といるのも楽しいし、お友達と会うのも楽しいし、外に出かけるのも楽しいよ」
目が見えないことと、楽しいことのあるなしに因果関係はないということを伝えました。

さて、ワークショップも二クラス終わり、感想を聞く時間になりました。
そのときの様子はぜひ音声でお聞きください。
「ワークショップの感想」 こんな風に少しは私が思っていることが伝わったこと、とても嬉しく思いました。

次に、こうやって「聞く」ということを使った子供たちに、耳だけでお話を楽しむということを体験してもらいました。
点訳絵本の読み聞かせです。
☆ みんな真剣に聞いてくれているのがよく伝わってきました。

そして、最後にまとめの話をしました。
私が子供たちに伝えたメッセージ、これも音声でお聞きください。
「子供たちへのメッセージ」
私の思いが少しでもみんなに届いてくれていたら嬉しいです。

今回も楽しくいい経験をさせていただくことが出来ました。
2時間と言う長い時間、しっかり授業を聞いてくれたみんな。
お手伝いいただいた方々。
ご依頼いただいた社会福祉協議会のみなさん。
ありがとうございました。
※私の当日のブログは
「こちら」 です。

当日お手伝いいただいたボランティアの方と子供たちから感想をいただきました。
「感想はこちら」です。